月別アーカイブ: 2013年4月

介護(保育)人間力を磨く行動評価

人間力を磨くためには行動評価が重要であることは前回お伝えしました。

介護施設の人事評価

今日は、その行動評価の作り方についてお伝えします。氣付きを高め人間力を高めるには形(態度、表情、所作、言葉、行動)を正していくしかありません。ではその形をどのようにして作っていくのかですが、ここで理念が重要になってきます。

しっかりとした理念が既にあるところも、今一度見直すことをお勧めします。ポイントはこだわりが明確になっているかどうかです。いわば他の法人とどう違うのかが大切です。経営者の熱き想いを文言に表してください。

次に私たちが用意した60項目の『人間力の要素』から理念やこだわりを実現する為に大切にしたい要素をいくつか選んで頂きます。

 人間力の要素例
 思いやり、プラス言葉、笑顔、部下・後輩の育成、冷静さ、素直さ・・・等

モデル行動の概念・考え方

この要素については、理念を実現させるために大切にしたいキーワードであれば、私たちが用意した人間力の要素以外でもOKです。

大切にしたい要素が決まったなら、あとはその要素を具体的な形(態度、表情、所作、言葉、行動)で表していくのですが、その形はご利用者様やご家族様に感動・関心して頂けるレベルで決めていきます。理念を実現する為の最高の行動を定義していくという事です。

たとえば・・・

【思いやり】であれば

ご利用者に対して、挨拶だけではなく、「お元気そうですね」「すてきなお洋服ですね」等、相手の状況に応じて喜んでいただける様な言葉を笑顔で相手の目線で声掛けしている。

といった具合です。これを1つの要素につき3つずつ作成していきます。

仮に3つの要素が選ばれていたとするならば、全部で9つのモデル行動ができあがってくることになるのですが、これが行動評価の評価項目になります。そしてこのできあがってきたモデル行動を実践し、実践したかしなかったかをチェックすることで、理念実現型の人事評価ができあがります。

ただし、人事評価を作っただけで組織が自動的に良くなっていくなんて事はありえません。どんなに素晴らしい評価表を作ったとしても、評価表に書かれている事を社員が意識していなければ、その行動が実践されることはありません。

そこで私たちは作り上げたモデル行動をカード化し、いつでもモデル行動を見ることが出き、朝礼等で唱和できるようにしています。

IMG_8060

作って満足するのではなく、『いかに浸透させるか』を日々考え、行動評価を運用していくことが重要です。

介護施設の人事評価

介護職には介護技術力(スキル)だけでなく、介護人間力が必要だということは前回お伝えしました。

では、その介護人間力を高めるためにはどうすればいいのでしょうか?

そもそも介護人間力とは何でしょうか?

私たちは介護人間力を以下のように定義しています。

介護人間力=人間性(心)+形(態度、表情、所作、言葉、行動)

よく人間力=人間性と考える方がいますが、そうではありません。どんなに素晴らしい人間性を持っていても形に表すことができなければ、心はないのと一緒です。

介護業界には素晴らしい心を持った人は沢山います。私たちも沢山の施設に行きますが、皆さん素晴らしい人間性を持った方々ばっかりです。でも形に表すのがうまいかというとそうではない方が多いのが現状です。

心が形に表れて初めて人間力になる・・・じゃあその大本である心を磨くためにはどうすればいいのか?

心は嫌なことに、目で見ることも触ることもできません。その見えもしない触れもしない心を教育しようとすると、どうすればいいのかわからなくなってしまいます。

 

例えば、廊下にゴミが落ちていたとします。Aさんはゴミが落ちてると思いゴミ拾います。一方、Bさんはそこにゴミがあると氣付きながらも拾いません。そうするとどうなってくるか?

Aさんは毎回ゴミが落ちていたら拾います。より小さなゴミにも氣付くようになっていきます。

Bさんはそこにゴミが落ちていたとしても、拾わなければならないという氣付きがどんどん失われていきます。そしてそのうちそれがゴミだという氣付きがなくなっていきます。

心と形の間には『氣付き』が存在するのです。その氣付きを磨いていくには?

『形から入る』

それしかありません。水は方円の器に従うという言葉があります。水は四角の器に入れれば、四角になるし、丸い器に入れれば丸くなるという孔子の言葉ですが、心も同じです。形を整えることによって心も変わっていくのです。

ですから介護人間力を磨くためには、、、人事評価も形から入るということです。

法人の理念やこだわりをしっかりとした現場の形(表情、態度、所作、言葉、行動)つまりは行動指針に落とし込み、それを徹底的に実践・浸透させていく。そしてそれが実践されていたかどうかを人事評価でチェックするということです。私たちはその形を評価することからそれを行動評価と呼んでいます。

行動評価の具体的な作成方法については次回書きたいと思います。

人材育成~何を育成するのか~

人材育成

人事育成の必要性を感じている人は多いと思います。むしろ全ての会社が必要性を感じているのではないでしょうか。

では職員の何を育成するのでしょうか?

職員の能力?能力って何?

ほとんどの会社が人材育成=能力開発と考えており、技術(スキル)を磨くことばかりを考えています。

確かにIT企業や繊細な技術が求められる職人の世界ではそれでもいいのかもしれません。

でも介護や保育など福祉の世界ではどうでしょう?

高い介護技術さえ持っていれば、ご利用者様は満足してくれる?高い保育技術を持っていれば、完璧な保育ができる?

福祉業界の方であれば、すぐに違うという事がわかると思います。

私たちが相手にしているのは「人」です。

いくら素晴らしい介護技術を持っていたとしても、それでけでは素晴らしい介護をすることはできません。一方、高い介護技術を持っていなかったとしても、素晴らしい介護を提供することはできます。

違いは何か?私たちは人間力だと考えています。

介護人間力、保育人間力です。

人を相手にサービスを提供する福祉業界では、技術(スキル)も大切ですが、人間力を磨くことが重要だと私たちは考えています。

ある保育園の園長先生がおっしゃっていました。苦情を防止する一番の方法は、「普段から親御さんと仲良くしていることだ」と。

苦情応対、再発防止など難しく考えがちですが、まさにその通りだと思います。ある人がやれば苦情になり、ある人がやれば感謝の声が返ってくる。その違いが人間力です。

ではその人間力をどうやって磨いてけばいいのか?それは次回に書きたいと思います。

人事評価制度の目的

人事評価をしなければならないという認識はほとんどの人が持っていますが、そもそもなんのために人事評価をするのかといった事が理解されていないまま、行われているケースを見かけることがあります。

では人事評価の目的は何でしょうか?

第1回目はその目的について書きたいと思います。

人事評価には、『処遇に差をつける』と『人材育成』という2つの目的があります。
どちらも人事評価の目的として非常に大切なことですが、そのどちらに重きを置くかによって制度の仕組みが大幅に変わってきます。

私たちは、介護や保育園などの福祉業界は『人材育成』に重きを置いた人事評価制度を作っていくことが重要だと考えています。

福祉業界では、法律によって施設の収入が決まってしまいますので、一般企業のように大きく処遇に差をつけるような仕組みは難しく、処遇に差を設けることよりも人材育成に重きを置き、今後訪れるであろう福祉業界における競争に勝ち残っていけるような人材を育てていくことが重要だと言えます。

処遇の仕組みよりも、いかにして『人材育成』を行うか、つまり評価制度が大切だという事を覚えておいてください。

人事評価・職員育成ブログ、スタートします!

こんにちは。株式会社 人財マネジメントシステムの池田知隆です。

私達は、介護施設や保育園、障害者施設など福祉に特化したコンサルタントです。
これまで、100以上の福祉施設に関わってきました。

業績を重視する他の業界の人財育成や人事評価の仕組みを福祉の業界にそのまま持ちこんだために、逆に職員のやる氣を損なわせてしまったり、離職率を高めてしまったなんて事をこの業界ではよく耳にします。

人と人の関わりあいが重要となる、福祉サービスにおいて、私達は人事評価や育成に関する様々な、相談を受けてきました。

そして、それらの課題・問題を解決するため、福祉の特性に合った人財マネジメントの仕組みがたくさん生まれました。

今後、それらの参考情報を発信していきたいと思います。